企業ロゴの役割や重要性、デザインについて考えよう!

新しく会社を立ち上げるにあたって、必要な事といえば何が思い浮かびますか?
登記書類の作成といった形式的な準備、販路開拓のような仕事を始めるための準備など、少人数のスタートアップでは慌ただしい日が続くことでしょう。

また、企業イメージを刷新しリブランディングをする際に何から始めれば良いと思いますか?
今まで築き上げた企業イメージを変えるのは容易ではありません。

そんな中で、忘れずに準備することをお勧めしたいのが「企業ロゴ」です。
この記事では、企業ロゴを制作する事がどのような効果に繋がるのか、制作する際のポイントを解説します。

初めて自社のロゴを作る方や、新規事業の立ち上げ、既存の事業のリブランディングを図りたい方におすすめです。

1:ブランディングとは

*企業にとってのブランド

起業する際や新規のサービスを立ち上げる際、最も重要となるのはそのサービスのオリジナリティです。
どんな点で競合より優れているか、どんなサービス体験を顧客に届けられるか。市場調査やビジネスモデルの分析を行いながら検討します。

マーケティングの言葉ではUSP(Unique selling proposition)と言われます。
差別化できる要素を洗い出したり掛け合わせたりすることで、「その製品・サービスでのみ叶えられる体験」を、選んでもらう理由として訴求していくこととなります。

訴求の手法として、現代で非常に重要とされているのが「ブランディングによって企業価値・商品価値を上げること」です。

*「ブランド」のそもそもの意味とは

ブランドという言葉からは、アパレルやファッション分野のことが連想されるかもしれません。
日本では<商標>と訳されることもあります。

しかし、本来は下記の通り、消費者ひとりひとりの心で捉えている財サービスに対する総合的なイメージのことを意味します。

ブランド(銘柄、英: brand)とは、ある財・サービスを、他の同カテゴリーの財やサービスと区別するためのあらゆる概念。当該財サービス(それらに関してのあらゆる情報発信点を含む)と消費者の接触点(タッチポイントまたはコンタクトポイント)で接する当該財サービスのあらゆる角度からの情報と、それらを伝達するメディア特性、消費者の経験、意思思想なども加味され、結果として消費者の中で当該財サービスに対して出来上がるイメージ総体。

引用:(「ブランド」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2020年11月18日 (水) 02:25 UTC) 

ブランドイメージは、ロゴマークやサービス名称から始まり、広告デザイン、WEBサイトでの体験、商品・サービスを購入した時の満足度、接した社員など、複合的な要素から作られていきます。

世界中に有象無象のサービスがある現代、どのような企業も自社独自のブランドを意識して経営することで、イメージ戦略による認知拡大を狙うことが可能になります。

*ブランド化のメリット

消費者が製品・サービスに持つイメージを標準化させ、プラスの印象を与えるブランディング。
ただ会社を立ち上げるだけではなく、ブランド化するメリットはどこにあるのでしょうか。

戦略的にブランディングされている企業のサービスは、●●といえば○○、とすぐにその提供価値が頭に浮かびます。

・フラペチーノが有名な、落ち着く時間を過ごせるコーヒーショップ
・赤がテーマカラーの世界的な炭酸飲料

恐らくほとんどの方が、特定のブランドを想起するのではないでしょうか。
このように確固たるブランドがあれば、競合と比較した時に優位となることはもちろん、マーケティング施策も立てやすくなることでしょう。
ブランドがターゲットする顧客に対して、適切なアクションを打ち出す事ができます。
市場に好印象を持たれていることで、ファンとなってくれる顧客が増えやすいのも特徴の一つです。

そして、その商品・サービスを思い浮かべる時には大抵、その企業のロゴやキャッチコピーが一緒に浮かぶものです。

2:ロゴの役割

*ロゴは会社の顔

ブランディング施策は効果がすぐに測りづらく、抽象度合いが高い作業となるため、取り組む難易度は高めです。
何かと忙しい創業期には、つい後回しにしてしまう事もあるのではないでしょうか。
しかし、ブランディングを考えずに事業を開始してしまうのは非常にもったいないことです。

なぜ会社の創業期から忘れずに「企業ロゴ」の準備をお勧めするのか。
それは、今後企業から発信される全ての情報に、効果的にブランドを乗せることができるからです。

社員の名刺、製品のパンフレット、Webサイト…。
最初から全てが整っていることはそう多くありませんので、少しずつ必要なものを揃えていくと良いでしょう。

ただ全てに必ず共通して使う事となるのが、企業ロゴです。ロゴはまさに会社の顔になります。

*ブランドの軸となるロゴ

企業やサービスの想いを込めたロゴが最初に存在すれば、そのほかのブランド要素は全て、ロゴを軸に展開してゆくことができます。

ロゴデザインのデザインコンセプトが、そのまま会社のイメージ、いわゆるブランドを示すものになるのです。
この軸がある事で、見た目的にも統一感のある制作物を揃えて事業をスタートさせられるようになりますし、目に見えるデザインの部分に関してだけではなく、コンセプトという名の”考え方”や”事業の方向性”も確立されます。

逆に、事業がある程度成長してからロゴによってブランドメッセージを発信するのは困難が伴うでしょう。
制作物の作り直し、顧客への伝え方の再考、そして従業員が複数いる場合は社内で認識統一を測る必要もあります。

ブランド立ち上げ当初は方向性に迷いも出がちですが、初めから強固な軸をもっている事でブレずに進められます。

*リブランディング

既存の企業でリブランディングを考えられている方も、まずはロゴから設計してみることで一歩を踏み出しやすくなります。

ロゴ変更はインパクトが大きく、企業のイメージを今後こう変更していきたい、というメッセージを強く対外的に放つ効果を持つのです。
ロゴのリデザインはブランディングの一要素でしかありませんが、ロゴを軸として、新たな方向性を社内外に伝える事に大いに役立つでしょう。

リブランディングは既存のイメージを塗り替えたり追加したり、と新規ブランド立ち上げとはまた別の難しさがあります。
デザインを一から再考する場合もあるため、非常に労力のいる作業です。

だからこそ、プロジェクトチームのメンバーは同じ方向を目指せるよう、早期に意思統一しておきたいものです。
ロゴのコンセプト設計で意見を出し合い、形にしていく事が、「どのようなブランドを目指したいか」を考える最初のステップとなります。

3:ロゴ制作のポイント

ここからは、良いロゴデザインを作るポイントをお伝えしていきます。

*こだわりの明確化

ロゴ制作の依頼をする際は、自社の強みやターゲット、提供したい価値を誰にでも伝わる言葉で言語化できるよう準備をしておきます。
簡単な作業ではないですが、一番事業をよく分かっている担当者が、なるべく多くの価値を書き出してまとめるようにしましょう。

また、顧客に与えたいイメージに近い写真やイラストを用意しておくと、デザイナーとも会話しやすくなります。
デザインの要素で伝わることは、想像以上に多いです。
どのフォントを選ぶか、文字や線の太さ、色選びなど、伝えたいイメージからズレないように常に意識する必要があります。
例えば、太い線は力強さを表現したり、青は信頼感やクリーンなイメージを強調したりと、デザインの要素で伝わるイメージがかなり左右されます。
もし伝えたい要素と合わない選択をしてしまうと、メッセージがブレて混乱を生むことになります。

ブランドの提供価値を明確にできたら、どのような表現なら効果的に伝えられるのか、多くの経験を積んでいるデザイナーに相談してみてください。

*利用イメージ

ロゴが完成したら、様々な印刷物やグッズなどに利用できるようになります。
ですので、制作時の大切な準備として、そのロゴデザインをどのようなシーンや媒体で利用したいかを予め考えておくべきです。

もしロゴを印刷する媒体が小さすぎた場合、細かすぎるデザインがうまく印刷されない可能性があります。
紙でみたときは良く見えていたデザインも、パッケージなどの立体的な媒体に乗せた時は見栄えが悪く見えたりと、制作段階とアウトプットの段階との間でイメージの誤差が起こり得ます。

デザインデータだけで判断することなく、必ず利用イメージと合わせて検討しましょう。
名刺・封筒・パッケージ・ノベルティなど、複数のサイズや種類で確認することをおすすめします。

また、レギュレーション(変形、色変更等の制限)の設計も合わせて考えておきましょう。
せっかくこだわりを落とし込んだロゴも、使い方を間違えると途端に統一感を失ってしまいます。

*汎用性とオリジナリティ

他の企業と印象が被るロゴは、適切にブランドイメージを伝えられず効果が落ちてしまいます。
書体やチョイスや色使いなど、様々な要素を考慮して、オリジナルブランドであることをきちんとアピールする必要があります。
もし、有名なロゴと全く同じフォントを利用して文字のみのロゴを作成した場合、まるでそのブランドのフォロワーのような印象を持たれてしまいます。
どうしても先にイメージを定着させた企業の印象が強くなるので、ブランド展開が非常に不利になります。
既存のロゴに似ていないか?は、画像検索などを用いてリリースする前に確認すると良いでしょう。
オリジナリティが必要な一方で、5年後10年後に古い印象を与えないよう、時代を超えて使える汎用性も求められます。
あまりに尖ったデザインは、一瞬のインパクトは与えられるかもしれませんが、違和感が強いと好印象に繋がりにくいです。
経験が必要で判断が難しい部分ではありますが、信頼できるデザイナーを見つけて相談できるとベストです。

企業ロゴデザインのまとめ

ロゴは会社の顔として、ブランドの軸を決めてくれる存在です。
立ち上げ当初から企業イメージの確立を想定しておく事で、競合企業の中でもリードできるでしょう。
また、リブランディングを進める際の指針としても大いに役立ちます。
ブランディングを意識したロゴデザインの相談は、ぜひお声がけください。

2021.10.18