皆さんが今使用されている自社の企業ロゴ、サービス・製品ロゴのデザインにはどのくらい思い入れがありますか?
ロゴに込めた意味をいまいち理解できていなかったり、創業初期に適当に作ったロゴを10年以上使っていたり・・と、既存のロゴにピンときていないなら、ロゴデザインを再考するタイミングなのかもしれません。
新しく事業を立ち上げたばかりの方はとくに、事業展開の際には皆の記憶に残るようなデザインのロゴを用意しておきたい事かと思います。
しかし、初めてデザイナーにロゴを発注する際には、どれくらいのコストと時間がかかるのか、どのような流れで進めるのかなど、不安なことも多いのではないでしょうか?
この記事では、デザイナー目線でオリジナルロゴ制作にかかる金額相場を解説します。
1:ロゴ制作の基本
* ロゴとは
ロゴ、と一口に言っても実は様々な種類があります。皆さんが覚えている有名企業やブランドのロゴを、いくつか思い浮かべてみてください。
文字のみから形成されるシンプルなもの、アイコンやグラフィック要素と文字で構成されたもの、ぱっと見わかりやすいモチーフが使われているものもあれば、見ただけでは意味のわからない抽象的なものまで、デザインの幅はバラエティに富んでいます。
表現の仕方だけでも無限の可能性を秘めているロゴデザイン。
そもそも何のために制作するのでしょうか?
ロゴは一般的に、CI(コーポレートアイデンティティ)の象徴となるものと言われています。
企業の目指す姿、立ち位置、強み、ブランドイメージや世界観をデザインで表現する事で、顧客に覚えてもらいやすくなったり、親近感を持ってもらえるなどの副次的な効果があります。
良いロゴデザインはビジネスの成長に直結するかもしれない、強い可能性を秘めています。
ロゴの中にしっかりと想いを込めることで、使う側にも愛着が生まれる上、その気持ちが顧客にも伝わるのです。
逆に適当なロゴを使ってしまった場合、間違ったイメージが顧客に伝わることになりかねません。
使っていて違和感があるロゴには中々愛着を持つ事もできず、結局また費用をかけて作成し直す事になってしまいます。
企業やブランドを象徴する大切なロゴデザインだからこそ、制作する目的をしっかりと理解し、最初の段階で費用と時間をある程度かけて制作することが重要だと感じます。
そのデザインによってどのような効果を産みたいのか、まずはロゴを作る目的から言葉にして考えてみることをお勧めします。
*ロゴを作る際のありがちな失敗
ロゴを作る際、発注する際にはいくつか気をつけるポイントがあります。
よくありがちな失敗をご紹介します。
「とにかく見た目重視!カッコよくてお洒落なロゴが良い!」
・・・見た目やインパクトのみにこだわりすぎてしまうと、本当に伝えたいメッセージ・コンセプトとずれてしまう可能性があります。
目を引くロゴにする事が本当に企業の目指す姿に沿うものなのか、場合によっては一度検討が必要かもしれません。
また、<かっこいい>や<スタイリッシュ>等の言葉は解釈の幅が広いため、発注時にデザイナーに上手くイメージを伝えられず、ミスコミュニケーションを引き起こす事にもなりがちです。
「とりあえず安く作りたい!色々見積もりを取って、安いところに発注しよう!」
・・・ランサーズやココナラ等、安くデザイン制作を頼めるサービスも増えてきました。
しかし、相場より下の価格で頼んで作ってもらうと、あまり満足するものが上がってこないことも。
受注者も制作実績が少なかったり、デザインの専門意識がない素人の可能性もあるため、一般的な相場より大きく下回るデザイン制作からは、期待したものが上がってこない可能性が高いのです。
費用ももちろん選定要素の一つですが、、表現したい事に寄り添ってくれるか、費用内訳をちゃんと説明してくれるか、納期を守りレスポンス良く対応してくれるか、といったポイントも踏まえて広い視野で検討する方が、これから長く使っていくかもしれないロゴデザインを、納得のいくものに仕上げていくことができるでしょう。
「すぐに使いたいから急いで用意しよう、しっくり来なければ後で変えれば良い!」
・・・一度公開したロゴを変えるのは、実は簡単な事ではありません。せっかくお客様に覚えてもらえたイメージを、また1から作り直すことになってしまうからです。
時代の流れや事業の変遷によって、企業のコンセプトや立ち位置が変わった場合、ロゴのリニューアルは必要不可欠になります。
ですが、あまり頻繁にロゴを変えて会社のイメージを揺るがすことは得策ではありません。
一般的には、最初に5年後、10年後も使うことを想定して作るべきと言われています。
2:ロゴ制作の流れと制作費用を左右するポイント
それでは、実際にデザイナーがロゴを制作する時の流れをご説明しながら、制作費用を左右しうる条件やポイントも、流れに沿ってお伝えしていきます。
*ヒアリング
まずは、お客様からしっかりとロゴデザインに込めたい”想い”を伺います。
<ヒアリング項目の例>
・会社やサービスの概要と立ち上げの背景
・サービス提供時に大切にしたい姿勢
・顧客層ターゲット
・競合と比べた時の強み
そして、デザインについてのご希望をヒアリングしていきます。
<デザインに関するヒアリング項目の例>
・デザイン形式のイメージ(文字だけが良い、アイコンやイラスト付きが良い、など)
※デザイン形式を複数用意する場合など、希望するロゴ形式の数が価格を左右します。
・理想的な形や色(丸みを帯びている方が良い、赤系が良い、など)
・持たせたいイメージ(柔らかい雰囲気、先進的なイメージ、真面目で洗練、など。)
・ロゴをどの媒体に展開するか(名刺、ウェブサイト、ノベルティグッズ、など。)
※どの媒体で使いたいか、という要件によっても価格が変わる可能性があります。
*軸となるコンセプトを考える
コンセプト設計はロゴだけでなく今後のあらゆる制作の指針ともなる、1番重要な工程です。
ロゴがきちんとその会社、サービスの顔となれるよう、お客様からヒアリングした内容をベースにしっかりとコンセプトを考えていきます。
ヒアリングした内容からキーワードを抽出し、ロゴデザインに込めたい”想い”を言葉にし、形に落とし込んでいきます。
ここで作ったコンセプトは、今後デザイン制作を進める時に何度も立ち返ることができる起点になります。
*ロゴデザインのご提案
コンセプトが決まり、見た目のイメージや方向性の擦り合わせが出来たら、とにかくデザイナーがたくさんラフを描いていきます。
その中で良いものを選び、お客様にご提案するという流れが主流です。
※制作のプロセスに携わりたい方からはスケッチの段階から一緒に方向性を探りたいとご希望される事もありますが、確認の工程がひとつ増える事になるため、追加予算が発生する場合が多いです。
ここで「何個のロゴ案を提出してもらうか」で、ロゴ制作の料金が変動します。
一般的には2〜3個の案を提示してくれるデザイナーが多いのですが、複数案は別途料金等、制作プランや会社によって様々です。
*修正とブラッシュアップ、納品
イメージに合わせて、提案したデザインを修正していきます。
「提案後に修正を何度まで依頼できるか」もまた、制作料金を左右する条件の一つです。
制作が完了するとロゴの納品となりますが、「納品時のデータ形式」によっては費用が追加でかかる場合もあることにご注意ください。
通常は、制作を開始する前に納品データ形式について説明があると思いますが、もし不安があれば事前に確認することをお勧めします。
3:ロゴ制作の相場
それでは、実際にこれらのことを依頼した場合、制作費用の相場はどれくらいなのでしょうか?
*自分で制作する場合
企業ではなく、サークルや個人事業主等で名刺に使う程度であれば、自分でデザインに挑戦してみる方も多くいらっしゃるかと思います。
自分で制作する場合は、0円から作成できます。
Web上で無料で作成できるツールも多くありますし、デザインができるタブレットのアプリ等でも、色々試すことができるでしょう。
※高解像度ロゴのDLや、より凝ったデザインを作るなら有料となる場合もあります。
自分の表現したいコンセプトを理解しており、デザイン的に違和感のないものを作れるのなら、無料で試してみるのも良いかもしれません。
もちろん無料素材やテンプレートで作成すると、完全オリジナルにはなりませんので、どこかでみたことがあるようなデザインや、あまり印象に残らないロゴになる危険性があります。
法人の場合は、きちんとプロに依頼することをお勧めしたいです。
*フリーランスに依頼する場合
フリーランスに依頼した場合の相場は3〜15万円程度です。
クラウドソーシング等を利用すれば更に安価で依頼できるかもしれませんが、長く使う企業ロゴを発注するには不向きです。
「ありがちな失敗」であったように、一口にフリーランスといっても能力の幅が広いので、上がってきたデザインに満足できない、複数案の提案がない、やり取りが上手くいかないなど、トラブルの危険性が常にあります。
これまでに仕事を依頼した繋がりがあったり、信頼できるフリーランスデザイナーが近くにいるのであれば、話を一度聞いてみて検討するのも良いかもしれません。
*デザイナーに依頼する場合
デザイン会社に依頼した場合は、15〜50万円程度が相場とされています。
これまでのフローにあった「修正回数」や「利用媒体」等、様々な条件で変動します。
もちろん、著名なロゴデザイナーに依頼したい場合は、更に上回るケースもあります。
フリーランスに比べてデザイン会社に依頼すると高価にはなりますが、企業の”らしさ”をデザインに落とし込む事ができるプロに依頼することが出来ます。
デザイン会社ではほとんどの場合で複数案の提示が可能な上、運用する上で必須の「ロゴレギュレーション」も策定してくれます。
*ロゴ制作相場のまとめ
前述の通り、ロゴはブランディングの根幹となる大切なものです。
なるべく価格重視ではなく、サービスや顧客層を理解し、コンセプトを一緒に考えて作ってくれるデザイナーと二人三脚で作り上げる方が、結果的に長く使える良いロゴが出来上がると思います!
ここまでお読みいただきありがとうございました。
ロゴ制作の費用相場に関して、少しでも疑問が解消されていれば何よりです。
そして、実際にロゴ制作をデザイナーに依頼してみたい!と思われた方。もしくは周りにロゴデザインの相談ができるデザイナーがいない方は是非弊社にご相談ください!
丁寧にヒアリングさせていただき、お客様が伝えたいメッセージや想いを形にします♪
お気軽にご連絡いただければ幸いです。