普段ロゴデザインに限らずですが、”良いデザイン”ができるかどうかはヒアリングで全て決まると思っています。個人的にロゴデザインの”答え”はいつも必ずお客様の中にあると思っています。
私自身もそうありたいと願ってはいるのですが、デザイナーは目に見えないものを目に見える形にするプロであるべきだと思っています!”翻訳者”みたいなイメージが近いですかね。お客さまの頭の中にあるモヤモヤしたしたものを可視化していけるのがデザイナーかなと思います。そんな時に重要なのがやはりヒアリング。今日はお客さまからヒアリングする時、私が気をつけていることをいくつか共有できればと思います。
1. 事前のリサーチは絶対するべし!
これはロゴデザインに限ったことではないのですが、お客さまとお打ち合わせをさせて頂く際、必ず事前にそのお客さまのことを念入りに調べ、ある程度の知識と情報を持った上でそのお打ち合わせに臨むようにしています。ヒアリングの際には”質問”がとても大事になってくるのですが、良い答えが引き出せるかどうかがその質問次第な場面に今まで多々遭遇してきました。
また無限に時間があるわけではないので、限られた時間の中で効率的に色々と聞き出すためにも、ある程度聞きたいことを事前にまとめてヒアリングに臨むことで、後でこれも聞いておけばよかった、がないようにもできるのです。
お客さまのことをよく知らない限り、表面的な質問しかできず、それに対しては同じく表面的な答えしか返ってこない、なんてことはよくあります。例えばですが、”カフェを開こうと思ったきっかけは何ですか?”と聞くよりも、”独立する前も飲食店を展開する外食チェーンで働かれていたそうですが、前職ではどのような影響を受けたりどんな経験を経て今に至るのですか?”とより具体的に聞くほうが、お客さま側も答えやすく、より話を深堀りできるかと思うのです。
2. お客さまが目指している方向性を見極める
たまにお客さまとの会話がうまく噛み合わないな、という時があるのですが、そういう時は大抵お客様が望んでいることや目指しているものと、私が目指す”べき”だと思っているものが違う場合です。例えばですが、お客さまは顧客数を10社くらい、2年かけてのんびり増やしたいと思っているのに対して、半年以内に30社増やせる可能性がある、だからその道を模索するべきだ、と勝手に私が思ってしまうときにこの食い違いが起こります。
私の勝手なエゴを押し付けてしまっている図がここに生まれてしまうのですが、一つだけ言い訳すると、お客さまにとって何がベストか、という方向性を一生懸命探りたい、ベストな結果を出してあげたい、というだけなのですが。。ですのでそのお節介な心が暴走してしまわないように、お客さまとしっかり向き合うこと、お客さまが目指している先を一緒に見ようとすることが、デザインをアウトプットしていく中でとても大事だと感じます。
3. 想いやこだわりを聞き出す
はじめにロゴデザインの答えは必ずお客様の中にあると言いましたが、お客さまがどれだけのこだわりや想いを持ってご自身のビジネスに向き合っているかが、ロゴデザインに結果反映されることが多いです。なぜならそこにこそ他社とは違う何かがであったり、差別化のポイントや、その会社の”らしさ”が形となって現れやすいと感じます。
もちろんお客さまの中には、「こだわりや想いはと聞かれても即答できないしあまりピンとこない・・・」、という方も多くいらっしゃいますが、それを引き出すのが私の仕事だとも思っています。ロゴデザインのお仕事は会社や企業の社長さんからご依頼頂くことが多いのですが、ロゴデザインにまず投資しようと思ってくださっている時点で、何かしら形にしたいと思ってくださっています。
またそんな方々の多くは、必ず強い想いや目標を持って起業されたという経緯があるので、そこにいつもロゴデザインのヒントが隠れていることが多く、お客様との対話の中でそれを見出せるように努力しています。
1番その想いが顕著に表れており、わかりやすいヒアリングポイントとして、”ビジネス名”に込めた想いを伺うことが多いです。お客さまの多くは会社名やサービス名に並々ならぬ想いを込めています。こちらはまた別記事で触れていければと思うのですが、ネーミングは本当に大切で、名前がロゴデザインのベースの形を決めると言っていいほど、そのビジネスのブランディングの方向性の指針ともなっていくのが名前だなと感じます。
4. 1番の近道はやっぱりビジュアル
ヒアリングは基本お話する中で、お客さまが欲しているロゴデザインを探るべく、口頭で色々引き出すのですが、一通りヒアリングさせて頂いた後、最後には事前に用意したロゴのサンプル集をお見せして、イメージに近いもしかは単に好きだと思うロゴデザインをいくつか選んで頂きます。
これは最低限のイメージの共有をすることで、なんとなくお客さまがイメージされている方向性や、お客さまの好みを探るという意味でとても重要でもあり、1番の近道にもなり得ます。言葉で聞き出すことも大事なのですが、百聞は一見にしかず、とあるように、やはりイメージの力はすごいです。
5. なんともない世間話を大切に
(↑こちらはグロービズさまとのお打ち合わせ風景です。実績の詳細はこちら)
色々とデザインに関するヒアリングをすることも大事なのですが、私は合間に他愛もない世間話を挟むようにしています。デザインとは全く関係なさそうな話でも、何かデザインの参考になりそうなことをぽろっと聞き出せる可能性が高いからです。
またお仕事を一緒にさせて頂くという時点で、お客さまとの関係性を構築することが何よりも大事だと私は個人的に感じます。お客さまに信頼して頂けることで、初めてお話して頂けるようなこともあったり、今まで見えてこなかったお客さまやビジネスの一面が見えたりすることもあります。
ガチガチにビジネスっぽい、質問攻めのヒアリングではなく、お客さまと楽しくお話する、お客さまから色々と教えて頂く、というスタンスでいつもお打ち合わせには臨むようにしています。
はじめが肝心
以上ロゴデザインに着手する際の、ヒアリングの時に私が普段気を付けていることを5つ共有させて頂いたのですがいかがだったでしょうか?初回のヒアリングは2~3時間ほどの長丁場になりがちなのですが、そこにしかロゴデザインの答えはないと思っているため、絶対外せないプロセスの一つとしています。そしてこのスタートが、デザインを考える際の1番の軸になってくるかと思うので、是非参考にして頂けると嬉しいです♪