ロゴデザインを作成する手順とは?デザインのプロセスを基本から丁寧に解説

ロゴデザイン、と聞いてどんな作業が思いつくでしょうか?
文字だけのデザインやアイコン付きのデザイン、英字でスタイリッシュに表現したり日本語で柔らかく作ったり…一言でロゴ、といってもそのデザインには様々な種類があります。

この記事では、ロゴデザインの方向性の決め方、作成の手順について解説します。
自社で作成するか悩んでいる方、ロゴデザインの依頼を受けてこれからデザインされる方にヒントになれば幸いです!

1:ロゴデザインの基本

* ロゴデザインの役割

企業やサービスのロゴは、その独自性やミッションをビジュアルで表現することで、顧客に認知してもらうという役割を持ちます。

利用しているサービスや製品で、「ロゴを見ただけで分かる」ブランドをいくつか思いつくのではないでしょうか?
例えばApple社の製品であるiPhoneやMacにはリンゴのマーク、Windows PCには窓をあしらったロゴマークがついています。特に文字の表現がなくても、全世界で共通するブランドロゴとして認知されており、各ブランドに属しない製品には決して用いられることはありません。

製品への信頼を誰が見ても分かる形であしらったデザインは、戦略的なビジネス展開には必須のものです。

もちろん、国際的なブランドでなくても、利用した顧客に色や文字のイメージを覚えてもらうことは重要です。
個人で立ち上げるツールやサービスであっても、利用者がなんとなく覚えやすいロゴがあるとより親しみを持って捉えてもらえるでしょう。

ロゴデザインの役割については、こちらの記事でも解説していますので合わせてご覧ください。
企業ロゴの役割や重要性、デザインについて考えよう!

*ロゴの種類

ロゴデザインの種類は大きく分けて2つです。

文字を意匠化したワードマーク(文字商標)と、アイコニックな図案を用いたシンボルマークです。
実際はシンボルタイプだけで用いるのは非常に難易度が高いため、2種類を組み合わせて「ロゴマーク」として利用されることも多くあります。

前者の例としてはGoogleやコカコーラのロゴが挙げられます。後者は前述したAppleのロゴマークやスターバックスのロゴ(2011年の変更時に文字情報を削除)などがありますが、やはり一番多いのはシンボルとワードマークを組み合わせたタイプでしょう。

強いこだわりがなければ、両方のタイプを用意して組み合わせも考えておくと、幅広く使いやすいのでおすすめです。

*ロゴを制作するには

ロゴを制作するにはプロに依頼する必要があり、非常に高価である、というイメージを持たれている方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、昨今では個人で利用できるWEBベースのロゴ制作ツールも登場しました。
例えば、仲間内でのグッズ制作やサークル活動、ボランティアなど、ちょっとした活動をするときにロゴを使いたい場合があるのではないでしょうか?

そんな時は、こうしたツールを活用してみても良いかもしれません。
無料ロゴメーカー |hatchful
無料のオンラインロゴメーカー- 数分でロゴを作成|Logaster

オリジナリティの面で永続的に利用したいロゴや事業として立ち上げる場合には不向きですが、とても簡単にシンプルなロゴを作成できますので、気になる方はぜひ試してみてください。

2:【初心者向け】ロゴデザインの作り方

全く初めてだけどロゴ制作に挑戦してみたい!という方向けに、考え方と制作の流れをご紹介します。

*コンセプトを考える

まずは、ロゴに込めたい意図を明確にしましょう。

どんなサービスを提供するのか、理念として何を大事にしているのか、顧客にどう思われたいのか。
チームメンバーで統一した意思を固めることをお勧めします。

この意思がないと後に制作の軸がぶれてしまったり、愛着がわかずにブランドが定着しづらくなったりと、せっかくロゴを作るのにその効果を十分に発揮できないことが危惧されます。

十分にディスカッションできたら、誰にでも伝わるような平易な言葉で明文化しておきましょう。
コンセプト策定によって、これから作っていくロゴデザインの方向性を固めていきます。

*デザインを考える

デザインの面では考えることはたくさんあります。
文字の種類(フォント)、太さ、あしらい、色使い・・・どのようなシンボルを使うか、文字との組み合わせ方など、まずはブレストをしてとにかく案を出してみるのが良いでしょう。

モチーフにしたいシンボルが決まっているのなら、比較的デザインは考えやすいかもしれません。最近は幾何学的なシンボルマークも増えているので、無理に既存のモチーフを考える必要もありません。線の引き方、装飾で上手く伝えたいメッセージを表現しましょう。

中々初めてで完璧な表現を作るのも難しいかと思いますので、ロゴメーカーや参考サイトを上手く活用しましょう。
ロゴデザインの参考になるロゴギャラリーサイト16選

スマートフォンを使っている方はアプリ一覧で近い業種のものを見てみるとどのような技法が使われているか参考になるかもしれません。
色々と調べてみて、やっぱり作るのは難しそう・・と思われた方はぜひご相談ください。

*ロゴの運用を考える

納得のいくロゴが出来たら、運用方法について検討しておきましょう。

リサイズ、カラー展開等のガイドラインを設定することはマストです。
ルール設定がなければ、今後ビジネスが発展した際に間違った利用をされたりしてブランドを棄損する恐れがあります。
企業のロゴは、細かい部分まで考え抜かれて制作される非常に繊細なデザインです。意図しないメッセージを伝えることのないよう、あらかじめルールを決めておきましょう。

利用シーンから具体的なイメージを作っておくことも有効です。
名刺やプレゼンに利用する際はこのパターンの文字とシンボルの組み合わせをする、背景の色が濃い時は白抜きデータを使う、グッズへの展開はロゴに利用している色から2色を使う、など、横展開しやすいような利用パターンを考えてみましょう。

オリジナルの制作デザインは著作権法によって保護されますが、必要に応じて商標登録を行うことも検討すると良いでしょう。

3:ロゴ制作をもっと学ぼう

*制作の流れまとめ

前段の2:【初心者向け】ロゴデザインの作り方を受けて、デザイナーとして依頼を受け、ロゴを作る場合の流れをまとめました。

・伝えたいコンセプトについて顧客とディスカッションする
・軸を明文化して認識を合わせる
・スケッチでラフ案を考える
・顧客、または同組織の人に相談、提案する
・スケッチ案を固める(手書きや、イラレを使用して複数案作る)
・顧客に提案するロゴ案をスケッチからピックアップして、データ化する
・ストーリーと合わせたプレゼン資料を作成する
・顧客に提案する
・チェック、ブラッシュアップ
・修正データを再提案する
・文字のスペース間やモチーフの色味や色のトーンなど、細かいところを微調整する
・運用のルールを固めてドキュメント化する
・納品する

一つ一つのステップを踏みつつ、迷った時はいつも最初に作ったコンセプトに立ち返るようにしましょう。
修正回数や納品形式、期限については受注の前段階で認識合わせをしておくことをお勧めします。

*デザイナーとして大切なこと

制作の作業に正解はありませんが、発表の際にコンセプトと合わせて説明できるようなストーリーを考えながら作っていくことがポイントです。
理由を説明できない装飾やあしらいは不要です。

また、運用イメージを常に考えてデザインを固めましょう。
グッズに利用したときに印刷できない細かすぎるデザインになっていないか、紙媒体で使いづらい色合いになっていないかなど、利用する顧客のことを常に考えることがデザイナーとして大切です。

きちんと整理されたコンセプトと、ストーリーに沿ったデザイン表現、使いやすいよう意識された最終成果物が揃えば、きっと良いロゴデザインになるはずです。

pa!formでは顧客目線を意識したロゴ制作を取り行っております。
コンセプト設計からお手伝いしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

*pa!formでロゴ制作を学ぶ

デザイナーは見えない隠れた作業や気遣いが多く発生する仕事です。
そして、実際のデザインでも、顧客の伝えたいメッセージをどうやってデザインに落とし込めば良いか、慣れないうちは迷ってしまうことも多いのではないでしょうか。

ロゴデザインをしてみたい方、これから学びたい方は、pafomのデザイナー安原さんの下でロゴデザインを学ぶことも可能です。

自分の力で作ったロゴが形になると、きっと嬉しいですよね。
制作の流れから作業の進め方まで丁寧にお伝えしますので、お気軽にご連絡いただければ幸いです。

2021.10.10